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「前略と激しく雪の降りはじむ」

⛄️俳句の旅
「前略と激しく雪の降りはじむ」
嵩 文彦

この一句は、書き出しの「前略」という言葉と同時に、激しく降り出す雪の情景が重なり、まるで一編の手紙の冒頭から映像が立ち上がるような印象を与えます。静かな書き出しとは対照的に、外では雪が勢いよく降り始める——その対比が、読む者の想像力を強く引き出します。

雪深い地域ならではの空気感や、突然訪れる天候の変化がリアルに感じられ、視覚的な臨場感に満ちた一句です。言葉数は少ないながらも、情景と時間の流れが鮮やかに浮かび上がります。

作者は北海道を拠点とする詩人であり医師でもあり、その土地に根ざした感覚が作品に深みを与えています。また、「雪は天からの手紙」という言葉を残したフランスの詩人を想起させるように、雪という存在が単なる自然現象ではなく、何かを伝えるものとして捉えられている点も印象的です。