⛄️俳句の旅
「着ぶくれてゐても見つけてくれる人」
石塚直子
この一句には、冬ならではの温もりと人とのつながりがやさしく描かれています。「着ぶくれて」という季語が示すように、厚着をして少し不格好になった姿さえも、しっかりと見つけてくれる存在がいる —— その安心感と嬉しさがにじみ出ています。
寒さの中で重ねた衣服に包まれながらも、相手の視線や気配に気づく瞬間。そのさりげない関係性が、日常の中にある小さな幸せを感じさせてくれます。特別な言葉を交わさなくても、互いに認識し合える関係は、とても貴重なものです。
このような情景に出会えること自体が、すでに豊かな時間なのかもしれません。冬の冷たい空気の中でこそ際立つ、人のぬくもり。その一瞬を切り取った、やさしさに満ちた一句です。
